vol1 動詞パターンドリル不規則動詞202語を8パターンで仕舞う
l i e l a y l a i n

vol1
動詞パターンドリル

不規則動詞202語を
8パターンで仕舞う
森 千紘
csforlife.co.jp
目 次

第1章 活用パターン編(サンプル版 ── 全11章中 3章収録)

  1. 1-1序:202語ではなく、たった8パターン
  2. 1-2❶ i-a-u 型 ── 6語を1パターンで
  3. 1-3❷ i-u-u 型 ── hang/hanged の使い分け
★ 各章末に「確認問題の解答」を併設しています。
★ 本サンプルは vol1 動詞活用の教科書(有料版、全11章)の最初の3章です。
P A R T   1
活用パターン編
── 202語ではなく、たった8パターン ──
P A R T   1
解説編
C H A P T E R   1
活用パターン編
── 202語ではなく、たった8パターン ──

1-1 序:202語ではなく、たった8パターン

不規則動詞は202語ある。
だが、覚えるのは8パターンでいい。

これが本書の出発点だ。

暗記すべき項目数
2028
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不規則動詞を50個覚えよ、と言われた経験が誰にでもあるはずだ。そして、覚えたはずなのに使うときにごちゃごちゃになって、もう一度覚え直して、また忘れる。

問題はリストの中身ではない。並べ方だ。

中学・高校で渡される不規則動詞リストは、ほぼ例外なくアルファベット順か、出題頻度順か、3形分類順(A-B-B / A-B-C)のどれかだ。どれも、暗記の側から見ると最悪の並べ方だ。なぜなら、音が似ている動詞同士が遠くに散らばってしまうから

本書はこれを 音韻パターン順 に並べ直す。それぞれのパターンの中では、母音の動き方も、語尾の変化も、すべて共通している。1つ覚えれば、その仲間は自動的に覚えられる。

8つのパターンの全体像

#パターン仲間の数
i-a-u 型sing - sang - sung6語
i-u-u 型spring - sprung - sprung9語
ow-ew-own 型know - knew - known7語
ee-e-e 型feed - fed - fed5語
A-B-B 短縮型bring - brought - brought12語
ee/ea 規則ペアmeet - met - met4語
全三形同一型set - set - set18語
その他混合型go - went - gone など数語

※ パターンの正確な区分けと所属動詞は各節で詳述する。仲間の数は仮の数値。

学力=理解+暗記。理解の段階で正しく整理しておけば、暗記の段階は劇的に軽くなる。本書は「楽をする」本ではない。「正しい順番で苦労する」本だ。

順番に8パターンを見ていく。最初は最も基本的な i-a-u 型 から。

1-2 i-a-u 型 ── 6語を1パターンで仕舞う

パターンの核

原形の母音 i が、過去形で a になり、過去分詞で u になる。子音は触らない。

ring /rɪŋ/ リング
rang /ræŋ/ ラング
rung /rʌŋ/ ラング
綴りは i → a → u の3段。だが音はカタカナで書けば「リング → ラング → ラング」── 2段に潰れる。
原形 過去形 過去分詞 現在分詞 意味
ring/rɪŋ/ rang/ræŋ/ rung/rʌŋ/ ringing/ˈrɪŋɪŋ/ (ベルが)鳴る
sing/sɪŋ/ sang/sæŋ/ sung/sʌŋ/ singing/ˈsɪŋɪŋ/ (Oを)歌う
sink/sɪŋk/ sank/sæŋk/ sunk/sʌŋk/ sinking/ˈsɪŋkɪŋ/ 沈む
drink/drɪŋk/ drank/dræŋk/ drunk/drʌŋk/ drinking/ˈdrɪŋkɪŋ/ (Oを)飲む
begin/bɪˈɡɪn/ began/bɪˈɡæn/ begun/bɪˈɡʌn/ beginning/bɪˈɡɪnɪŋ/ (Oを)始める
swim/swɪm/ swam/swæm/ swum/swʌm/ swimming/ˈswɪmɪŋ/ 泳ぐ

──6語ある。だが覚えるのは6語ではない。1つのパターンだ。

ここが急所
綴りは i-a-u だが、音は「イ・ア・ア」に近い。

これが、この型で最も読者を惑わせる点である。アルファベットだけ見ると i → a → u と3段で動いているように見えるが、実際の発音は違う。

  • 過去形 rang / sang / sank / drank / began / swam の母音は /æ/。日本語の「ア」より口を大きく開く音。
  • 過去分詞 rung / sung / sunk / drunk / begun / swum の母音は /ʌ/。日本語の「ア」よりも口を縮めた、こもった音。

両方とも、日本人の耳にはほぼ同じ「ア」に聞こえる。 カタカナで書けば、rangrung も「ラング」。sanksunk も「サンク」。区別が消える。

綴り上は3段(i → a → u)。音上は2段(i → a → a)。

これは理屈で覚えるものではない。何度も音読を重ね、口と耳に馴染ませていく道しかない。表内の各単語の🔊ボタンをタップすれば発音が聞ける。耳と口を同時に動かしてほしい。

子音の枠は固定で、母音だけが動く。

r-ng のまま ring → rang → rung。s-ng のまま sing → sang → sung。s-nk のまま sink → sank → sunk。子音のフレームは触らない。母音だけが3段で変わる。これがパターン認識の幹だ。

現在分詞は -ing をつけるだけ。begin / swim だけ子音を重ねる。

ringing / singing / sinking / drinking はそのまま -ing をつけている。一方で beginning(n が2つ)/ swimming(m が2つ)は最後の子音が重なる。

ここで日本人がよくやる勘違いがある。「カタカナで読んだとき小さい『っ』が入れば子音を重ねる」── これは嘘だ。 begin(ビギン)にも swim(スイム)にも occur(オカー)にも、小さい『っ』は入らない。だが、すべて beginning / swimming / occurring と子音を重ねる。

正しい規則はもっと単純だ:

アクセントのある短母音+子音で終わる動詞は、最後の子音を重ねて -ing / -ed をつける。

カタカナ読みではなく、英語の音節構造で決まる。begin の最後は -gin(短母音 i +子音 n)、swim は -im(短母音 i +子音 m)、occur は -cur(短母音 u +子音 r)── すべて該当する。同じ規則で running / stopping / hitting / putting / sitting もすべて子音が重なる。

区別しておきたい点
sunken / drunken は形容詞専用

過去分詞は sunk / drunk であって、sunken / drunken ではない。完了形は The ship has sunk.(沈没した)であり、has sunken ではない。sunken / drunken は形容詞専用で、名詞の前に置いて使う:

  • a sunken ship(沈没船)
  • a drunken sailor(酔っ払いの船員)

日本語の感覚で「過去分詞 = 形容詞」と短絡させると、ここで一発で間違える。過去分詞と形容詞は別物と理解して覚えてしまった方がよい場合もある

i-a-u 型の次は、その親戚にあたる i-u-u 型(spring / swing / sting / cling / fling / string …)に進む。こちらは過去形と過去分詞が同じ形に統合される9語の一群。i-a-u 型を通過した今なら、これも一気に整理できる。
P A R T   2
問題編

1-2 i-a-u 型 ── 自己テスト

下表の空欄を埋めよ。答え合わせは第1部 1-2 で。各単語の🔊ボタンで発音も確認できる。
原形過去形過去分詞現在分詞意味
ring /rɪŋ/ (ベルが)鳴る
sing /sɪŋ/ (Oを)歌う
sink /sɪŋk/ 沈む
drink /drɪŋk/ (Oを)飲む
begin /bɪˈɡɪn/ (Oを)始める
swim /swɪm/ 泳ぐ
母音は綴り上 ___ → ___ → ___ の順で動く。子音は触らない。音は ___ → ___ → ___ に近い。

確認問題

  1. The ship has ____.(その船は沈んだ)── 空欄は sunk か sunken か?
  2. a ____ sailor(酔っ払いの船員)── 空欄は drunk か drunken か?
  3. swim の現在分詞は何か? なぜ m が重なるのか?
  4. occur の -ing 形を答えよ。なぜ r が重なるのか?

確認問題の解答

  1. 問1 ── sunk
    完了形は has + 過去分詞。sunk は過去分詞、sunken は形容詞専用なので、ここでは sunk が正解。The ship has sunk.(その船は沈んだ)のように使う。sunken は名詞の前にしか立たない形容詞で、a sunken ship(沈没船)のように使う。過去分詞と形容詞は別物と理解して覚えてしまった方がよい場合もある
  2. 問2 ── drunken
    名詞 sailor の前なので形容詞用法になる。drunk は過去分詞、または「酔っている」という叙述用法で使い、He is drunk.(彼は酔っている)のように動詞の補語の位置に立つ。名詞の前は drunken、動詞の補語は drunk、という使い分けになる。
  3. 問3 ── swimming
    m が重なるのは「アクセントのある短母音+単子音で終わる動詞は最後の子音を重ねる」という子音重複規則による。swim は1音節で、母音 /ɪ/ は短母音でそこにアクセントがかかり、語末は単子音 m ── 条件をすべて満たすので m を重ねて swimming となる。
  4. 問4 ── occurring
    r が重なる理由は問3と同じ子音重複規則。occur は2音節で、第2音節 -cur にアクセントのある短母音 /ɜː/ があり、その後に単子音 r が続く ── 条件を満たすので r を重ねて occurring。同じ規則で referring, beginning, preferring, forgetting も r / n / t を重ねる。一方、offer /ˈɔːfər/ や visit /ˈvɪzɪt/ は末尾にアクセントがないので offered, visited のように子音を重ねない。「小さい『っ』が入るかどうか」ではなく、英語のアクセントと音節構造で決まる
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解説編

1-3 ❷ i-u-u 型 ── 11語を1パターンで仕舞う

パターンの核

原形の母音 i(または a)が、過去形・過去分詞ともに u に統合される。3形のうち過去形と過去分詞が同じ形になるので、覚える形は実質2つだけ。

spring/sprɪŋ/スプリング
sprung/sprʌŋ/スプラング
sprung/sprʌŋ/スプラング
過去形と過去分詞が同形。i-a-u 型(前節)の発展形にあたる。
原形過去形過去分詞現在分詞意味
spring/sprɪŋ/sprung/sprʌŋ/sprung/sprʌŋ/springing/ˈsprɪŋɪŋ/はねる、跳ぶ
swing/swɪŋ/swung/swʌŋ/swung/swʌŋ/swinging/ˈswɪŋɪŋ/Oを揺らす、揺れる
sting/stɪŋ/stung/stʌŋ/stung/stʌŋ/stinging/ˈstɪŋɪŋ/刺す
cling/klɪŋ/clung/klʌŋ/clung/klʌŋ/clinging/ˈklɪŋɪŋ/すがりつく
fling/flɪŋ/flung/flʌŋ/flung/flʌŋ/flinging/ˈflɪŋɪŋ/Oを投げつける
string/strɪŋ/strung/strʌŋ/strung/strʌŋ/stringing/ˈstrɪŋɪŋ/Oを糸に通す、つるす
wring/rɪŋ/wrung/rʌŋ/wrung/rʌŋ/wringing/ˈrɪŋɪŋ/しぼる、よじる
slink/slɪŋk/slunk/slʌŋk/slunk/slʌŋk/slinking/ˈslɪŋkɪŋ/こそこそ歩く
spin/spɪn/spun/spʌn/spun/spʌn/spinning/ˈspɪnɪŋ/つむぐ、回転する
hang/hæŋ/hung/hʌŋ/hung/hʌŋ/hanging/ˈhæŋɪŋ/Oを掛ける(物)
hang/hæŋ/hanged/hæŋd/hanged/hæŋd/hanging/ˈhæŋɪŋ/Oを絞首刑にする(人)

──11エントリ、実質10動詞だ。だが覚えるのは10語ではない。1つのパターン1つの分岐点だ。

ここが急所
hang は2つある。「掛ける」と「絞首刑にする」で活用が違う。

これがこの型の核心である。同じ hang という動詞が、意味によって別の活用をする。

  • 物を掛ける(カーテン・絵・服など)→ hang - hung - hung(不規則)
  • 人を絞首刑にする → hang - hanged - hanged(規則)
物は hung、人は hanged。

覚え方は、以下のように音と形のイメージで絡めて覚えてしまうと早い。

物は hung ── 物は「ぶつ」、つまり「(ウ段の音)つ」で、hu の u(ウ)と音がつながる。物=ぶ=u と結びつけてしまえば、「物を掛けるなら hung」がスッと出てくる。さらに、hung の u の形がカーテンや布の襞が垂れ下がっている感じに見える。形と意味がピタッと噛み合う。He hung his coat on the hook.(彼はコートをフックに掛けた)

人は hanged ── 「物」を掛けるのではなく、物の代わりに人を掛ける=絞首刑にする、という残酷なイメージ。さらに hanged を筆記体で書くと、絞首刑のロープのように見える(はず、笑)。こじつけでもなんでも、一度イメージで引っかかれば忘れない。The criminal was hanged at dawn.(その犯罪者は夜明けに絞首刑にされた)

覚えてしまえば正義。こじつけでもイメージでも、使えるものは全部使えば良い。

なお、この使い分けは絶対的な歴史法則というより、現代英語の慣用的な区別である。歴史的には両形が長く併用されてきたが、hanged が法律・処刑の文脈で保守的に残ったと見ることもできる。学術的な細部には争いがあるので、受験レベルでは「物は hung、人は hanged」で覚えておけばよい。

spring だけは過去形に sprang も生き残っている。

11語のうち spring だけは、過去形として sprang(i-a-u 型)と sprung(i-u-u 型)の両方が使われる。現代米英ともに sprang の方がやや一般的だが、辞書では両方が認められている。

つまり spring は、❶ i-a-u 型と ❷ i-u-u 型の橋渡しの位置にいる動詞だ。前節の sing-sang-sung と並べてみると、sing が「i-a-u 型の安定形」、spring が「両型の間で揺れ動く形」、swing/sting/cling が「i-u-u 型に完全に移行した形」── 英語史の中で動詞の活用が時代とともに収束していく動きが、この11語の中に化石として残っている。

子音の枠は固定。母音だけが i → u に動く。

-ng で終わる動詞(spring/swing/sting/cling/fling/string/wring)と、-nk で終わる動詞(slink)と、-n で終わる動詞(spin)。子音のフレームは固定で、母音だけが i → u に1段動くだけ。前節の i-a-u 型をマスターした人なら、母音1段の縮退として一気に把握できるはずだ。

区別しておきたい点
wring の w は黙字

wring は発音上 /rɪŋ/ で、ring と完全に同音。w は綴りに残っているだけで発音されない。同じパターンは write/wreck/wrist などにも見られる。

slink は「こそこそ」の含意

slink は単に「歩く」ではなく、後ろめたさ・恥ずかしさを伴う移動を表す。The thief slunk away.(泥棒はこそこそと逃げていった)。中性的な「歩く」は walk、ゆっくりは saunter、こそこそは slink ── と語感で覚えておくと使い分けが効く。

i-u-u 型の次は ❸ ow-ew-own 型(know / grow / throw / blow / fly …)に進む。母音が1段動くだけだった i-u-u 型に対して、ow-ew-own 型は3段全部が動く ── 一見複雑に見えるが、3段とも完全に規則的なので、パターンを掴めば16語が一気に整理できる。
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問題編

1-3 ❷ i-u-u 型 ── 自己テスト

下表の空欄を埋めよ。答え合わせは第1部 1-3 で。各単語の🔊ボタンで発音も確認できる。
原形過去形過去分詞現在分詞意味
spring /sprɪŋ/はねる、跳ぶ
swing /swɪŋ/Oを揺らす、揺れる
sting /stɪŋ/刺す
cling /klɪŋ/すがりつく
fling /flɪŋ/Oを投げつける
string /strɪŋ/Oを糸に通す
wring /rɪŋ/しぼる、よじる
slink /slɪŋk/こそこそ歩く
spin /spɪn/つむぐ、回転する
hang /hæŋ/物を掛ける
hang /hæŋ/人を絞首刑にする
母音は ___ → ___ → ___ の順で動く(実質 i → u → u)。子音は触らない。例外1:spring は過去形に sprang も使える。例外2:hang は意味で活用が変わる。

確認問題

  1. He ____ his coat on the hook.(彼はコートをフックに掛けた)── 空欄は hung か hanged か?
  2. The criminal was ____ at dawn.(その犯罪者は夜明けに絞首刑にされた)── 空欄は hung か hanged か?
  3. spring の過去形は1つだけか、2つあるか? あるとしたら何と何か?
  4. wringring の発音の違いは?

確認問題の解答

  1. 問1 ── hung
    物(コート)を物理的に掛ける動作なので、不規則変化 hang - hung - hung を使う。He hung his coat on the hook.(彼はコートをフックに掛けた)。物は hung と覚えておくとよい(人の場合は次問で扱う)。
  2. 問2 ── hanged
    人を絞首刑にする場合は規則変化 hang - hanged - hanged を使う。The criminal was hanged at dawn.(その犯罪者は夜明けに絞首刑にされた)。物は hung、人は hangedが核心になる。「絞首刑は規則に則って行われる」と結びつければ覚えやすい。歴史的な細部には学者の間でも争いがあるが、受験レベルではこのシンプルな使い分けを覚えておけばよい。
  3. 問3 ── 2つある。sprang と sprung の両方
    辞書では両形が認められており、米英いずれでも両方が使用されている。spring は ❶ i-a-u 型と ❷ i-u-u 型の橋渡しの位置にいる動詞、と理解しておくとよい。
  4. 問4 ── 完全に同音。両方とも /rɪŋ/
    wring の w は黙字で、発音には現れない。同じ黙字パターンに write /raɪt/、wreck /rek/、wrist /rɪst/ がある。古英語では wr- の w も発音されていたが、中英語末期から初期近代英語にかけて w の音が脱落し、綴りだけが化石として残ったものである。
続きは有料版で ── 残り 8 パターン + 最終章

このサンプルでは、不規則動詞202語を8パターンで覚える最初の3章を公開しました。有料版には、残り6つの活用パターン(ow-ew-own 型、ABC 母音交替型、bid/hide 混合型、A-B-B 短縮型、hear/get 系、全三形同一型)と例外 be 動詞、そして最終章 denominal blockingが収められています。

全11章・202語・603活用形、全単語に発音ボタン付き。音声データを本文に埋め込んだ単一HTMLファイルなので、オフラインでも音が鳴ります。

vol1 動詞活用の教科書 ¥490

森千紘(lielaylain)/ csforlife.co.jp